4月10日(水)渡り鳥たちが北へ帰っていく頃。ジャーナリズム考。

玉虫備忘録:

 終日寒雨しとしと、時に強し。10℃→4℃、99%。花粉少ない。上空寒波と低気圧通過で、真冬なみの寒気に。東京でも山沿いでは雪も降ったとか。ブルブル

 

ジャーナリズム文化とは:

 NHKをはじめとする日本のジャーナリズムは、近年ますます政府や財界の御用ジャーナリスト化の道をたどっています。そこで世界のジャーナリズム文化の特徴を調べたところ、4つのタイプに分類できるという(byトーマス・ハニッツ他。21か国、2100人以上のジャーナリストを調査分析。)独立性や非関与性、事実の提供、政府の監視などがジャーナリストの美徳として認識されている。

1.ポピュリスト宣伝者:スペイン、ルーマニアイスラエルなど。

 視聴者を強く方向づけし、面白い情報ばかり提供する傾向あり。政府やエリートに対しては、あまり批判的では無い。活動的かつ参加型の役割を果たす意図は低い。

2.独立性の高い監視者:ドイツ、オーストリア、スイス、米国、オーストラリア。

 視聴者に政治的情報を提供する。政治的事柄について独立した監視者としての立場をとる。自分達をエリートの監視人(ウォッチ・ドッグ)と位置づけ、懐疑的かつ批判的な態度を保持する。しかし介入主義的な態度はない。政府見解を支持するという姿勢も少ない。社会変化駆動や世論誘導、政治的課題の設定に対する志向は最も低い。(西側ジャーナリストの原型と言える。)

3.批判的変化媒介者:トルコ、エジプト、ブルガリア、メキシコ、インドネシア

 政府やビジネス・エリートに批判的。社会変化駆動、世論誘導、政治課題の設定に重点を置く。視聴者を市民活動、選挙、政治討論などに参加するよう動機づけるが、政府の政策に対する公的支援は強く反対する。ジャーナリズムの日和見的(機会主義的?)アプローチは支持しない。

4.機会主義的仲介者:ロシア、中国、チリ、ウガンダなど。

 ジャーナリストは自身を独立したオブザーバーと見なさず、政府の建設的なパートナーと見なしている。政府の政策を支持し政治的、ビジネス的リーダーシップの前向きなイメージを伝えようとする。政治情報の発信や、ジャーナリズム動員については、ほとんど考慮しない。常に政権の近くにあり、政府やエリートの監視役はしない。(発展途上国や過渡期的な国、権威主義的な文脈で多く見られる。)

 

 西側ジャーナリストにとって、公平性や信頼性、事実性と普遍的な倫理原則の遵守は非常に重要である。そして、特定の価値観やアイデア、社会変化への積極的関与は余り支持しない。

 各国は全てのタイプを有しているが、上記ではその内メジャーなタイプを挙げている。果たして現在の日本ジャーナリズムは、どの辺に位置するのであろうか?3.変化媒介者から1.ポピュリストを経由して、今では4.の権威主義的ジャーナリズムが主流であろうか。欧米の理想たるタイプ2.ウォッチ・ドッグには、未だに道遠し!かな?どもども。