5月20日(日)ブラームスはお好き?

 朝のうち雲多いが、午後快晴!13℃〜22℃、32%。涼しい!秋のように青く晴れた空。





 音楽会:重いけど軽いとは。

 券を頂いたので、府中の森まで遠出する。新緑の中での、市民交響楽団によるブラームスを中心とした演奏会ですぅ。ブラームスと言えば、ワグネリアンと共にブラ蒸し餡を生んだ巨匠ですぅ。今日の演目は交響曲第3番ヘ長調を中心に、悲劇的序曲(泣く序曲)とR.シュトラウス交響詩「氏と変容」といった、多少重い曲ですぅ。しかも、市民楽団にしては演奏技術的にかなーり難しい曲たちですね。

 人はなぜ悲しい曲を聴くのか?不思議ですねぇ。なぜか悲劇や死という悲しい重いイメージが、時として人を勇気づけることもある不思議さよ。こういうアンビヴァランスが人間精神の奥深さでもあります。でもその旋律はどれも、とても美しいものでした。ブラームスはよくワーグナーと対比して語られ、音楽の美だけを追求する「絶対音楽」と思われておりますが、その情動惹起力は並のものではありません。でもこの第3番はロマンティックで甘すぎだという評価がありまふ。しかし、それは余りにも浅い読み方で、シンプルな中の、完成度が高い透明さと繊細さは一番演奏が難しいとゆわれております。

 特に第3楽章の憂鬱だが甘美な主旋律が、チェロで奏でられ、それがホルンのソロで再現されるときは、思わず涙を禁じ得ません!静かに始まり、一気に激しく情熱的に盛り上がり、時にはすすり泣くように、また圧倒的に高揚した後、静かに曲を閉じる様は、まさに躁鬱症の気分か?と悪口を言う暇もなく、曲想は懐かしさに満ちて幕を閉じるのでした。う〜ん、ブラームス出来るっ!これは予想外の不意打ちだった!とか、孤独のグルメのような感想を漏らして、吾輩のブラームス鑑賞の感想に代えまする。

 
 帰ってからちとググるに、この甘美な曲想は度々映画でもカバーされており、有名な旋律でした。諸君も聞いてみれば、きっと思い起こすに違いない。かの有名なドヴォルザークブラームスを崇拝し、初演前に訪れたときに、この第3番ヘ長調をピアノで弾いて聞かせてもらい感激した話は有名です。後年、「なんと素晴らしい旋律かっ!うっとりと心がとろけるような純粋の愛に満ちている♪」と、一生尊敬したそうですぅ。100人の大オーケストラで演奏しても、一人でピアノ演奏しても、曲想の本質は伝わるんですねぇ♪でも、普段は脇役?(失礼)のチェロが堂々と主役を張る希有な曲でもありまふ。

 音楽と言うのはなぜか、直接情動に働きかけ、感情を豊かにするんですねぇ♪今日は、3回くらい泣いたかも。そっと目頭を拭く。(あっ、指揮者は情熱の棒振り@田部井剛氏でした。今日の感動はひとえに彼の読譜力によるものと、末尾になりますが感謝もうしあげます。ども。)いや〜、音楽ってのはホントに不思議ですねぇ。昔の作曲家がいて、それを解釈する指揮者がいて、演奏家がいて、それを聞いて感動する観客がいて、4位1体で成立する世紀をまたぐ時間の藝術なんであーる。ども。