7月18日(月)海の日。うーみーは広いな、大きいなー♪

 青い空、白い雲、蒸し暑い空気。25℃〜33℃、79%。





 石に漱ぎ流れに枕す:(流石)さっすがあ〜!


 海の日の行事にて、東京湾1周の航海に参加しようと思たですが、変心して早稲田方面に転進す。モギケンさんが大隈講堂で、「ゆかいな漱石」の講演をするらしいんだ。すかす熱かったなぁ。


 「小説はそれを読んでいる時間の中にしかない。」という保坂和志を引用して、茂木はあらゆる所で漱石を読んでいるから、それぞれ20冊以上の本が溜まってしまい、しかも読むたびに新しい発見があると。文体の流麗さに惑わされなければ、漱石の本質はそのオリジナリティにあることが分かると、坊ちゃん、我が猫、三四郎、こころ、草枕二百十日、鉱夫、などを通して詳述す。

 例えば、坊ちゃんは、親族の冷たい関係と自分の悪い面を赤シャツに託した厳しい自己認識を土台に、松山の風土に擬して日本のせこ集団主義やいじめ体質を辛辣に風刺していると。司馬遼太郎とは逆に、日清日露戦勝に順風満帆を見る代わりに、冷徹に日本の精神的後進性と没落を予見している。しかしその批評精神は、具体的政治状況を露わに攻撃するよりも、ふとした言葉や行動で芸術に昇華していると。とても賢いけれど、大愚でもあり、これは訳された英文を読めば、より鮮明に表現されています。

 夫婦関係が色々と取沙汰されてますが、基本的には適わぬ思いの苦しい人、西洋合理主義、個人主義と、大和心、漢文の素養などの東洋精神の狭間で葛藤した人、であったが子規などの友人や数多くの弟子たちに慕われていた優しい人でもあった。まだまだ何回読み直しても新しい発見があり、とても汲み尽せない源泉である。




 つうことで、わだすもまた青空文庫で読み直してみようと思いました。芸術はどんな不幸でも、幸福に変えてくれると♪