6月11日(木)腐草為螢(腐草の間からホタルが出てくる頃)

 薄曇り。19℃〜27℃。沖縄では梅雨明け、九州では豪雨だとか。雨がこっち(関東)にやって来る。





 今日は皮膚感覚の機序:くすぐったいじゃん♪

 光遺伝学を使って、皮膚感覚でも新説がでますたよ。従来のモデルでは、脳の外部からの皮膚刺激などが低次感覚野(S1)に到達し、そこから脳内の高次処理を行う運動野(M2) に伝達されまふ。低次から高次ということで、これをボトムアップ入力と申しまふ。一方、脳内の高次処理部分(M2)での注意や予測といった脳の内側で発生した刺激が低次感覚野(S1)に向かう入力をトップダウン入力と申しまふ。この内因性のトップダウンと外因性のボトムアップ連合野で統合されることにより、皮膚感覚は脳内で知覚されるとされてました。自分でくすぐるのと、他人からくすぐられるのとの差は、この機序で説明でけると。

 すかし、特に注意や予測をしなくて、ボーっとしてても皮膚感覚があることは確かですから、この仮説にも欠点はありますただ。

 そこで光遺伝学的手法を使って、マウスの脳内を観測すると、外因性入力がS1に達し、その後M2に伝達された時、まるで反響するように外因性入力がそのまんまS1に反射されることが分かりました。これを外因性トップダウン入力と申しまふ。そして内因性トップダウン入力がなくっても、この外因性トップダウン入力があれば、これと外因性ボトムアップ入力が統合されて、皮膚感覚が発生することが確かめられました。

 実際は、先の仮説と今回の新しい説が両方とも、場合によって使い分けられていると考えられます。つまり脳内にはイロエロなルートがあって、それらが複合して作用しているってことだすぅ。これが脳の可塑性と強靭さを担保していることは、言うを待ちません。ん?



 すかす、幾らこれらの知見が増えたとしても、なぜ我々がこのようにビビッドに世界を知覚でけるのかっつう、主観的体験(クオリア)の問題には近づくことさえ出来ないのは、聊か日暮れて途遠しと。ダハハハ